夏を終わらせる作業

9月 9th, 2016

今年の夏も長かった・・・

ようやく秋の兆しが感じられるようになって心底ホッとしている。

一番好きな季節は?と、問われれば
「秋」
一番嫌いな季節は?と言われれば
「夏!!」
と答える私にとって、この季節ほど気持ちのアップダウンが激しい時期はない。

梅雨明けが夏の始まりであるように、「夏明け」とか、「秋入り」というのがあればいいのだが。きっと少しぐらい暑くても「秋入り」と聞いただけで気が楽になるに違いない。「立秋があるじゃない」と言われるかもしれないが、暦の上の立秋はまだ夏のピークだから秋の気配さえ感じられないし。

さて、仕事の上で夏の終わり、秋の始まりを区切る作業が寒冷紗外しである。

夏の間、強烈な日光を和らげ、乾燥や温度の上昇を防ぐためにビニールハウスには寒冷紗を張っている。この頃の強烈な夏は、寒冷紗なしなど考えにくいぐらいだ。
レモンバーム
寒冷紗を張っているので、葉が柔らかなレモンバームもこんな風に調子が良いが、きっと一日中真夏の太陽が照りつけていたら葉がチリヂリに焼けてしまって可愛そうな見た目になっっていたことだろう。

ただ、いつまでも張っていると、今度は必要な日光が遮られてしまうので、どこかで取り外さなくてはいけない。
ラベンダー
日光が好きなラベンダーは、すでにちょっと光が不足気味。柔らかく伸びてしまっていた。
ローズマリー
ローズマリーも同様。柔らかで明るい色の茎が伸びている。もうこれ以上日光を遮ると本当にダラダラになってしまうから、そろそろ限界である。

もちろん、寒冷紗を取り外す作業は年によってかなり前後する。古い日記を見ると、冷夏のときなど8月の終わりには取り外した年もある。一方でいつまでも暑さが続いて9月の終わりまでつけていたこともあった。

今週末からは曇り空が続き、30度を超える日ももうなさそうなので、今週から取り外し作業を開始。今年は、まずまず平均的な時期と言えそうだ。
寒冷紗外し
天気が良い日はさすがにビニールハウスの上部はとんでもない温度になって作業ができないから、曇りや雨の日、夕方を狙って取り外す。
寒冷紗外し
「パッカー」というプラスチック製のパーツで挟んで取り付けてあるだけなのでそんなに難しい作業ではないが、内張りにしてあるため、寒冷紗とビニールの間に虫の死骸などが結構残っている。時には針が残った鉢の死骸があったりするので注意も必要だ。
寒冷紗外し
それでも、来るべき夏に備えて寒冷紗を張る作業に比べると、外す作業は鼻歌交じりでルンルンだ。外した寒冷紗を畳んでしまう作業もなぜか全然苦にならない。寒冷紗が片付いたら、まだ蝉が鳴いていようが、私の中では夏は完全に終了。

また来年、これを取り付ける時期が来るかと思うと正直嫌なのだが、とあるスタッフ(彼も夏嫌いの秋好き)が言うには、
「つらい夏も、これが終わればしばらくやってこないと思えばいいじゃないですか」
とのこと。

「今、次の夏から一番遠いところにいるのだ」と考えましょうということ。
物は考えようである。

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蜂の手も借りたい

6月 18th, 2016

今年は例年に比べて芋虫、毛虫など、幼虫によるハーブの食害が多い。

店頭のお客様からも、通販のお客様からも同様の被害報告を良くいただく。

もちろん、当店の苗にも影響は多い。
バジルの食害
発送前に、害虫が残っていないかチェックするのだが、昨日はなんともなかった苗が丸坊主になっていることもよくある。
ヨトウムシ
犯人はこいつ。結構大きなヨトウムシがバリバリとかじれば、小さな苗の葉などひとたまりもない。
ヨトウムシ
梱包前に見つけることができればまだいい。お食事中のまま箱に入ってしまうと、まさに駅弁を買って乗る長距離列車状態。揺られながら、ゆっくりと個室の中で楽しまれてしまう。

ヨトウムシ

アップルミントも丸坊主に・・・

昨年など、着いた時にはバジルが丸坊主という例もあった。

今年は、そこまでではないにせよ、すでに今月に入って2件も大きなヨトウムシが一緒に旅立ってしまったようだ。スタッフも注意しているのだが、その辺りは上手に隠れるのだろう。無賃乗車はやめてもらいたいものだ。

発送前以前に、圃場で栽培している時は苗もなおさら小さいので被害は大きい。ポット上げして間もないバジルなどをかじられると朝から落胆の度合いも激しい。

ただ、相手は数知れず。我々スタッフだけではとても対策は追いつかない。

そこで今年は、助っ人の手を借りることに。

ビニールハウスの中は、雨もかからず、風も防ぐので、アシナガバチが良く巣を作る。極端に近づいたり、刺激を与えなければ、襲ってくることは稀なので、我々があまり通らないところは巣を作っても放っておくことが多い。だが、普段よく使う場所などに作ろうとした場合は、小さいうちに取り除く。特に女王蜂一匹の頃は、一人でお出かけしている間に「よそでお願いしまーす」と、取り除けば全く問題ない。

アシナガバチ

今年も、種子や挿し木の管理をしているビニールハウスの中央部にアシナガバチが巣を作った。例年ならばよそへ移動してもらう場所なのだが、今年は危険を承知で残しておいた。彼らが少しでも芋虫や毛虫の類を捕食してくれることを願ってのことだ。
アシナガバチと肉団子

早速、口に芋虫の肉団子を咥えている一匹もいる。幼虫の餌にするようなので、巣が大きくなるにつれたくさんの芋虫を捕ってくれるだろう。もちろん、巣が大きくなるにつれ、我々の危険も増すのだが・・・
注意

廻りの生き物たち, 昆虫 , , , , ,

4月の復調

4月 30th, 2016

年明けまでとても暖かく、その後の強烈な寒波で、例年にない被害のあった畑のハーブたち。

1月の寒波

寒波後は見るも無残な姿になったので、特に寒さに弱い種類は、ほぼ諦めかけていた。

4月に入ってからは気温が低めで、天気もあまり良くない日が続いた。先日など、作業場でストーブを焚いたぐらいだ。なので、ハーブたちも全く冬の状態から立ち直れない様子であった。

ところが4月も終わる頃になってつぎつぎと復調の兆しが。

レモンバーベナ
レモンバーベナも例年より半月遅れで新芽が伸び始めてきた。もう10年近く育てている大株。枯れたかと思った時はさすがに残念だったから余計に嬉しい。でも、例年なら新芽が出てくる上の方の枝はさすがに枯れてしまったようだ。新芽も株元近いところに限られている。
レモングラスは、冬前に下記ページの例のように株元マルチの上から厚くそばがらを被せておいただけで冬を迎えた。

ハーブの防寒・地植え編(その1)

寒波の後になって、せめて発泡スチロールを被せておいておけばよかったと後悔した。絶対ダウンしていたと思っていたのだ。

レモングラス
そろそろ掘り上げて他のものでも植えようかと思っていたら新芽が。なんとかこの調子で復活を遂げてもらいたいものだ。
マートル

マートルもこの通り、新芽が出始めた。普段の春なら大きな葉が残っているので、ちいさな小さな葉がたくさん付いているとなにやら別の植物のように思えてくる。

レモンティートゥリー
残念ながらレモンティートゥリーはこの状態。いまだに新芽の兆しさえ見えない。これはダメだったかもしれない。

また、お客様のお庭で何年も地植えで越冬していたローズゼラニウムも寒波の後、かなり太い枝まで枯れたようになってしまった。こちらも防寒対策をしていなかったので諦めて、新しく植える苗を持って庭に伺ったところ、新芽が伸びているではないか!
ローズゼラニウム
どちらかというと北向き、北風もビュンビュン当たるようなところなのに、ゼラニウムの生命力にちょっと驚いた4月の終わりだった。

ゼラニウム(Pelargonium), マートル(Myrtus), レモングラス(Cymbopogon), レモンヴァーベナ(Aloysia) , , , ,

風邪ひきさんの草刈り

4月 6th, 2016

子供に風邪をうつされた。寒いうちは「なにがなんでも風邪はひかないように!」と、うがいや手洗いも怠らないようにしていたのに、暖かくなってつい気を抜いてしまったのも悪かった。

月曜日に38℃近くまで上がった熱は、一旦下がったが、37℃を切ったぐらいから下がってくれない。おそらく3年ぶりぐらいだろう。平熱が低めなので、これぐらいの熱でも脳味噌に一枚ベールがかかったような感じだ。

月曜は定休日だったので1日横になっていられたが、火曜日からはそうはいかない。ゴソゴソと起き出して仕事をしてはまた横になるという1日。いい加減治るだろうと思っていた今日も状況は変わらず。だが、また1日布団に入っているのも気持ちが悪い。

切羽詰まった仕事がないのが幸いだが、体調が万全でないときにどんな仕事をするかは結構難しいものだ。あまり体に負担がかかる仕事は行うべきでないし、クオリティが重視されたり頭を使う作業もミスが多くて進みが悪い。

とりあえず、少し体を動かした方が良いのではないかと午前中は圃場に出かけた。

圃場では、いつも何かしら仕事があって、苗の整理や片付け、掃除など、こんなコンディションでする作業もよりどりみどりである。
草刈り機
明日は天気が悪くなるということもあり、草刈りをすることにした。草刈りも真夏の炎天下は重労働だが、この時期ならそれほど体に負担はかからない。
ヒメオドリコソウ
暖かくなって一気に伸びてきた雑草を刈り始める。
erythronium pagoda

水仙
草花やハーブたちの花も増えてきた。

オランダミミナグサ

オオイヌノフグリ

雑草もせっかく花を咲かせていると思うとちょっと可哀想になるのだが、ここは容赦なく。
アスパラ
伸び始めたアスパラの周りは特に慎重に。
ホワイトボリジ
畑の法面の下を刈っていたら、零れ種で飛んできたホワイトボリジが花を咲かせていた。草刈りでもしなかったら気がつかない場所である。
白花タンポポ
普段は時間を気にして一気にする草刈りも、体をいたわってゆっくり草刈り機をまわしていると草花に目を止める余裕も出てくるものだ。

小一時間ほど作業をしたら、うっすらと汗をかいていた。

帰宅して着替えて午後はデスクワーク。相変わらず進みは悪い。
体温計
夕方、熱を測ったが、こちらも相変わらず・・・。おとなしく寝てた方が良かったのかなぁ?

ボリジ(Borago), 園芸作業, 野草, 雑草 ,

思い出の香り(2)

4月 1st, 2016

雨のスタートとなった新年度。

こんな仕事をしていると年度が変わったとか、月が変わったとかいうことがそれほど大きな意味を持たなくなる。

気温がはじめて氷点下になったとか、梅雨が明けたというような天候の変わり目の方がはるかに大きな節目だ。

とはいえ、周囲の新年度感や、新学期感はなんとなく伝わってくる。「気分を新たに」スタートしている人も多いのではないだろうか。

自分の場合、気分を新たにというよりも、この時期、「初心を忘れずに」という気持ちが強い。

もう25年近くになるだろうか。初めてハーブに出会ったのがこの季節。忘れもしない、米子市のアーケード街の中にある園芸店の店先に並んでいたちいさなポット苗にふと目が止まったのがハーブの実物と出会った最初だった。

それまで植物など育てたことはほとんどなかったのに、なぜか興味をひかれ、葉を触ってみた。

レモンバームと、タイムだった。指先に残った香りに驚きを受けた。

その一瞬の驚きはよほど鮮烈だったのだろう。いまでもこの時期にレモンバームとタイムの香りをかぐと当時に引き戻される。

レモンバーム
長年おなじ仕事を続けていると、垢がたまるように、慣れや惰性に自分が包まれてしまいやすい。日々、ハーブが周りにあるのが当然になり、ハーブをただの商品としてしか見れなくなったらもうこの仕事を続ける資格はないと思う。

そのような不要な垢を取り除くためにもこの時期、伸び始めたフレッシュな葉の香りを確かめる。

なので、レモンバームとタイム、とても平凡なハーブなのだが、私にとってこの二つは特別なのである。

タイム(Thymus), レモンバーム(Melissa)